頚椎症の手術療法に伴う後遺症の可能性

頚椎症の患者の半分以上は手術療法を行っています。しかしながら、治療を行っても発症前の完全な状態に戻る事は難しく、しびれや痛みなどの症状は残ってしまう事が多いのが実態です。

また、治療前に歩行が難しくなっていたり手が上がらないなどの運動障害を始めとした重度の症状が出ていた場合は、手術を行っても大きな改善は期待できません。ですが、放っておくと症状が悪化してしまう事もあるため、症状の進行を食い止める事を第一の目的として手術が行われています。

頚椎症の手術療法に伴う後遺症の可能性

一方で、頚椎症の治療を行うと、稀に後遺症が残ってしまう場合があります。頚椎症の手術は首の前方、もしくは後方を切開し頚椎の治療を行いますが、首には重要な神経や頚動脈、脊髄、食道や気管などが多く集まっているため、これらへのダメージによる後遺症が残ってしまう可能性があります。

そのため、頚椎症の手術は難易度の高い手術と言われています。

参考:頚椎症手術のリスク

術後に起こりやすい後遺症

頚椎症の治療により起こってしまう代表的な後遺症としては、神経合併症や軸性疼痛が挙げられます。神経合併症とは、20人に1人の割合で発生し、ある特定の筋肉に麻痺が起こる症状です。特に第5頚椎神経根と呼ばれる箇所が傷むケースが多く、ここが傷むと腕をあげたり肘を曲げる力が弱くなってしまいます。

発生する原因ははっきり分かっていません。ただ、神経根の麻痺は時間とともに回復するケースがほとんどです。

軸性疼痛とは、首の後ろや肩にだるさやこり、痛みを感じる症状です。後方法と呼ばれる術式で発生しやすく、5~10人に1人の割合で発生します。

多くの場合は術後の経過とともに症状は軽くなっていきますが、症状が長く残る場合もあるため、リハビリテーションなどの工夫が行われています。


前方法特有の後遺症

前方法と呼ばれる術式特有の症状があります。前方法は首の前方を切開し椎体を削って神経の圧迫を取り除く術式ですが、首の前方には食道や気管、頚動脈などの重要な器官が多くあります。そのため、術時に何らかの原因で食道に傷がついてしまうと細菌感染が起こったり、反回神経と呼ばれる声門の神経が圧迫される事により声が枯れたり、物が飲み込みにくいなどの症状が現れる反回神経麻痺になる場合があります。

その他にも、後遺症で最も重い症状としては、四肢麻痺があげられます。術中に何らかの形で脊髄に負荷がかかったり、脊髄を損傷してしまうと、最悪の場合は手足が動かなくなってしまいます。

名医による頚椎症手術