頚椎症の手術適応有無の判断基準

頚椎症が発症した場合、基本的にはまず保存療法から始まりますが、症状が悪化傾向にある場合や重度の症状がある場合は、手術療法へ移行し手術を行う事になります。

しかし、頚椎症は重要な器官が多く通っている首回りの手術になるために、それ相応のリスクもありますし、手術の費用もかかってしまうため、色々な判断材料をもとに手術適応があるかを判断していきます。

手術適応の判断基準

頚椎症の手術適応があるかどうかの判断の一つに、日本整形外科学会が定めている「頚部脊椎症性脊髄症治療成績判定基準」というものがあります。これは、ある基準をもとに患者の状態をスコアで表し、そのスコアが13点未満であれば手術適応があると考えるものです。このスコアは高い方が症状が軽く、スコアが低い方が症状が重いことを表しており、上肢運動機能や下肢運動機能、知覚など複数の項目について、症状の程度を選択していくことで患者の状態をスコアで表すことが出来ます。

例えば、上肢運動機能の項目の場合の選択肢は、(0)箸あるいはスプーンのどちらを使っても自力では食事ができない、(1)スプーンを使って自力で食事が可能だが、箸ではできない、(2)不自由ではあるものの、箸を使って食事できる、(3)箸を使って日常食事を行っているが、ぎこちない、(4)正常、というような内容になっており、()の中がスコアとなっています。正常の場合は4点になり、自力での食事が不可であるような症状であれば、0点となります。

頚椎症の手術適応有無の判断基準
ただし、このスコアが絶対的な意味を持って手術の判断になっている訳ではなく、あくまで一つの判断材料に過ぎません。MRI画像なども判断材料の一つですが、一番重要とされているのは機能であり、ADLと呼ばれる日常生活動作を最重要と考えて判断されます。頚椎症の症状に対する感じ方は患者によって異なりますので、生活に特に支障をきたさない程度であると患者が感じている場合は積極的に手術を行うような事はありません。

逆に、たとえ軽い症状であったとしても不快に感じる事でストレスの原因になったり、職業によっては致命的な症状である場合もあり、その場合はスコアが高くても手術を行うこともあります。

各患者の生活への支障具合やストレスによる影響度、職種などによっても状況は変わりますので、実際はいろいろな判断材料をもとに臨機応変に医者と患者で相談しながら、総合的に判断されています。

参考:頚椎症手術のリスク